桜もほとんど散って、すっかり暖かくなった対馬です。
さて、2月8日の対馬ニュースでも取り上げましたが、昨年度末は「くくり罠」による錯誤捕獲が続出していました。
保護された3頭のうち、1頭はケガが軽く早々に山へ帰すことができましたが、
1頭は足先が壊死した影響から急激に状態が悪化し、残念ながら亡くなってしまいました。
そして、傷の完治に時間がかかっていた最後の1頭を、ようやく山に帰せる日が来ました!
このヤマネコは、保護者の方に「シマト」というニックネームを付けてもらっていました。
![放獣前日のシマト。治療の過程で背中の毛を刈ったため、こんな見た目になっています。](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/s9e359f90aad11aeb/image/ifcc0d2bbea5c2a23/version/1702809956/image.jpg)
保護当時、左前足の甲と肘の内側を金属のワイヤーで擦っており、
ひどく腫れた後に表面の皮膚がドロドロと腐っていきました。
【注意】以下には、傷の生々しい写真が含まれます。閲覧時、苦手な方はご注意ください。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=871x10000:format=jpg/path/s9e359f90aad11aeb/image/iaa941d9fe8250108/version/1702810139/image.jpg)
傷を清潔に保つため、1日~3日に1回は保定されながらバンテージを交換する日々が続きました。
シマトにとっても非常につらい時間だったと思いますが、少しずつ状態はよくなっていきました。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=883x10000:format=jpg/path/s9e359f90aad11aeb/image/ibd9fd5b72de85ef9/version/1702810169/image.jpg)
傷を舐めないようにエリザベスカラー(首につけるラッパ状のカバー)を付けていたためグルーミングはできず、
排泄物で体毛が汚れてしまうため、麻酔をかけた際にシャンプーをして洗いました。
![彼の生涯でこんなふうに体を洗われることは、きっと二度とないでしょう。](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/s9e359f90aad11aeb/image/i6b660441fcfd76c3/version/1702810361/image.jpg)
私たち飼育員や獣医の先生も、傷の完治に向けてシマトとともに戦ったこの3か月間。
忘れられない濃厚な日々でした。
シマトは今頃山でどうしているのかな?
もしかして1週間くらいで忘れちゃうのかな?(笑)
辛かった治療の日々はすっきり忘れて前向きに、草むらで日向ぼっこしたりネズミを狩ったりして
伸び伸びと過ごしてほしいと思います。