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くくり罠による錯誤捕獲が多発中

 

冬期はツシマヤマネコたちの繁殖期。2月はまさにその真っ只中です。

パートナーを見つけるべく山を駆け回っていることでしょう。

 

そんな中、1月20日、30日、2月2日と立て続けに3頭のヤマネコが

「足くくりわな※」による錯誤捕獲で保護されました。

 

 ※地面に埋めた踏板を動物が踏むと、輪になっているワイヤーが飛び出して足をくくる仕組みの

狩猟用罠。シカやイノシシの捕獲を目的として島内で広く使用されています。

 

くくり罠の1例。こちらは「笠松式」と言われています。踏板の形は、商品によって様々です。。
くくり罠の1例。こちらは「笠松式」と言われています。踏板の形は、商品によって様々です。。

 

くくり罠によってヤマネコが捕獲され、センターへ保護される事例はこれまで8件(2015年~)確認されていますが、

たった半月の間に3頭も捕獲されることは初めてです。 

 

罠の場所がちょうどヤマネコの利用が頻繁な道だったのか、

くくり罠の設置数が増えてきたからなのか・・・、要因は一つではないかもしれません。

 

 

 

上の写真の左前肢がくくられていた個体の様子です。

 

保護直後に毛を刈って一見すると大したことなさそうに見えますが、数日でどんどん様子が変わっていきます。

治療ができなければ、そのまま足先が腐ってしまいます。

 

 

皮膚の一部が腐り始め、はがれていくとこのようになります。
皮膚の一部が腐り始め、はがれていくとこのようになります。

 

幸いこれまでのどのヤマネコの事例も、発見した猟師さんから迅速に通報をいただき、

 センターにて治療にあたることができました。

 

今後、環境省を中心に関係各所へ協力を呼びかけながら

ヤマネコがかかりにくい罠の設置方法を検討する等、再発防止策を進めていくとのことです。

当法人も保護したヤマネコたちの一日も早い回復を目指して尽力しつつ、

今後の情報発信等を協力して行っていきたいと思います。

 

【くくり罠猟をされる皆様へ ご協力のお願いです】

●最低1日1回の罠の見回り強化

●ヤマネコがかかっていた場合の迅速な通報

(ヤマネコセンター:84-5577 「はよ ここ ならせならせ」)

 

速やかな通報がヤマネコの早期放獣(野生復帰)や命を救うことにつながります。

ぜひみなさんの周りの猟師さんへも、情報拡散をお願い致します!