身近なヒヨドリ

皆さま

こんにちは、職員の太田です。

 

急に寒くなったなと感じカレンダーを見ると早いもので12月…

今年も残り少なくなってきました。

 

対馬では前回紹介したミヤマガラスやコクマルガラスが飛来し冬の訪れを告げていますが、少し山に入ると別の鳥もヒーヨ、ヒーヨと鳴いては冬の到来を告げています。

正体は鳴き声から簡単に想像が出来るヒヨドリです。

 

ヒヨドリは日本各地、北から南までほぼ全ての地域で姿の見ることが出来る鳥です。

都会の真ん中の公園にすら現れるので見たことがないって人は殆どいないと思います。

 

 

身近な鳥ですが、色々と面白い話が多い鳥でもあります。

例えば国内分布に関しては、周年通して観察出来ることから留鳥だと思われがちですが、1970年代以前は関東地方だと秋~春までしか観察できない冬鳥でした。いつの間にやら関東以南の留鳥だった個体群が北上してきて分布を増やし現在の様に周年見れるようになったそうです。

世界的な分布に関しても、日本、朝鮮半島、中国南部、フィリピン北部とアジアの一部地域にしか生息しておらず、日本以外の各地域の生息数はわずかで殆どは日本で生息しているそうです。ですので、日常的に見られるヒヨドリですが海外のバードウォッチャーには人気があるそうです。

生態に関しても面白く、他の鳥類よりも刷り込みが強く人間に育てられても非常に良く馴れ、育てた人を識別できるようになるそうで平安時代では貴族の間でヒヨドリの育成がブームになっていたんだとか…

 

身近に居すぎて興味が湧かないかもしれませんが、一度しっかりと観察してみると、なかなか可愛い鳥だったりもしますので、休みのちょっとした時にでも近所の木に蠢く鳥の影を追ってみてはいかがでしょうか。