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放獣後のヤマネコの生態調査に参加

 

こんにちは!対馬はだんだんと気温が上がってきて、梅が咲き始めました。

春の気配がしています(^^)

 

さて、先月21日、治療が完了したヤマネコの放獣が行われました!

 

 

この個体は、昨年の5月に長崎県が生息状況調査のため設置している

自動撮影カメラに、左前肢の先端にケガを負っている状態で撮影されました。

 

翌月、環境省職員らが箱罠での捕獲に成功し、以降ヤマネコセンターで治療を受けていました。

 

→詳細な経緯は「長崎県対馬振興局」のインスタグラムにも投稿されています。

https://www.instagram.com/p/CoWSyPHrH0h/?igshid=YmMyMTA2M2Y=

 

 

 

この個体には、発見者の方より「パック」というニックネームを付けていただきました。

 

検査の結果、パックにはマイクロチップ(※1)が入っており、

10年前に琉球大学によるツシマヤマネコの生態調査のため捕獲されていたことが判明しました。

※1:個体識別のため動物の皮下に挿入される超小型のICチップ

 

 

そして、今回保護された場所は

10年前に調査捕獲された場所から直線距離で15キロ程離れた島の反対側でした!!

 

いくつもの谷や尾根を越えた大移動を経て、現在の場所で暮らすことを選んだのでしょうね。

 

放獣後のパックが暮らしている山林内。綺麗な浅い川が流れています。
放獣後のパックが暮らしている山林内。綺麗な浅い川が流れています。

 

現在、放獣後のパックがどのような行動圏(※2)を持つのか調べるため、

 

ツシマヤマネコの生態研究をされている中西先生(元琉球大学 研究員、現北九州市立

自然史・歴史博物館 学芸員)が中心となってラジオトラッキング法(※3)による追跡調査が行われています。

※2:その個体が生活する範囲のこと。

※3:首輪型の発信機を個体に取り付け、電波の発信源を探ることで遠隔地から位置を特定する調査。

 

 

 

当法人の職員も、手技の勉強を兼ねてこの調査のお手伝いをさせていただくことになりました。

 

普段の私たちはセンター内にいるヤマネコの「治療」や「健康管理」などが主な仕事ですが、

日ごろより活動を応援して下さる方々のご支援により

この度調査に必要な機材を新たに購入し、活動の幅を広げることができました。

 

 

今このブログを読んでくださっている皆さまをはじめ、

様々な面から活動を支えてくださっている方々へ、心より感謝を申し上げます。

 

まだまだ未熟な部分の多い我々ですが、 

今後も新しい知識・技術を習得し、成長していきたいと思います。

引き続き、活動を見守っていただければ嬉しいです。

 

 

 

蔭浦