蜂洞での攻防

皆さま

こんばんは。職員の太田です。

 

日本全土に影響を与えている台風10号ですが、対馬は運よく進行コースから外れて殆ど影響がありませんでした。台風が雲を引き連れ北上していきましたので今日は非常に天気の良い1日でした。

 

天気も良く週休日でしたので、鳥獣保護区の巡視を兼ねて山に行ってきました。

雲が少なく紫外線がぎらつく蒼天に動物達は木陰に避難しているらしく木々の隙間に動く小さな影と小鳥の囀りが聞こえるだけで哺乳類・鳥類は、とても観察出来るような状態ではありませんでした。活発に動いているのは昆虫達で、セミは至る所で大合唱をし、蜂洞のミツバチ達もせっせと蜜を集めているようでした。

 

今年は本当にミツバチが多いなと呟きながら林道を歩いていると、異常な数のミツバチが飛び交う場所に行きつきました。あたりを見回してみると崖に設置された蜂洞の入り口には大量のミツバチが… どうやらミツバチとキイロスズメバチが攻防を繰り広げているようでした。

 

アブダクションを狙うキイロスズメバチと、対抗するニホンミツバチ。

一見するとダンスを踊っているようにも見えますがお互い命がけの攻防で、スズメバチに捕まればミツバチは餌にされてしまいますし、スズメバチもニホンミツバチに捕まると蒸し殺されてしまいます。※ニホンミツバチは外敵となるスズメバチに襲われると防衛の為に群れで囲んで蒸し殺す熱殺蜂球を形成します。

 

その後も蚊に襲われながら顛末を見届けているとキイロスズメバチは諦めたのか何処かへ飛び去って行きました。森の中で繰り広げられる攻防に、改めて自然の厳しさと小さな命達の逞しさを感じました。