対馬のツシマヤマネコは今

ツシマヤマネコの救護やリハビリのこと、飼育現場の裏話にイベント出展情報など。

日々、対馬で奮闘している獣医師や飼育員から、とっておきのツシマヤマネコ情報をお届けします。

2021年

2021年

4月

20日

かなたの体調不良について

3月下旬より公開個体の「かなた」が体調を崩したことから、

現在(4月20日時点)、対馬野生生物保護センターのヤマネコは非公開とさせていただいています。

元気な頃のかなた君
元気な頃のかなた君

 

 

 

 

3月13日の夜間から何度もうずくまって排尿姿勢を取る様子がみられ、

翌朝飼育員が入室時に捕獲して検査すると、尿路閉塞(尿道が固形物などでつまっておしっこが出なくなること)を起こしていました。

膀胱に血尿が大量に溜まっており、それを抜く処置をしているところ。
膀胱に血尿が大量に溜まっており、それを抜く処置をしているところ。
緊急処置のあと、スムーズにおしっこが排出できるよう、数日間は尿道にカテーテルを入れていました。
緊急処置のあと、スムーズにおしっこが排出できるよう、数日間は尿道にカテーテルを入れていました。
飼育員がシリンジでおしっこを抜いているところ。しばらくはひどい血尿がつづきました。
飼育員がシリンジでおしっこを抜いているところ。しばらくはひどい血尿がつづきました。

尿道を開通させる処置を行い、無事にオシッコを排出できるようになりましたが

血尿や頻尿が現れないか確認するため、しばらく入院室にて観察をしていました。

状態が回復してきたので、一時的に公開用ケージへ戻してまた経過観察をしていましたが、

再び頻尿傾向が見られたので再入院させて簡易検査し、また経過観察ののち公開ケージへ移動・・・というかたちで、なかなか容体が落ち着かない状況です。

入院室で管理中のかなたの様子。おしっこが赤いです。
入院室で管理中のかなたの様子。おしっこが赤いです。

膀胱炎や尿路閉塞は再発しやすく、急なストレスにも影響をうけやすいとのことで、

かなたの様子をみながら公開のタイミングを検討させていただいています。

 

開館以降、かなたに会いにセンターへ足を運んでくださったお客さまへは

大変申し訳ございませんが、何卒、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

 

 

蔭浦

2021年

4月

13日

ヤマネコの保護がありました

新しい年度が始まりました!

当法人も新入職員を迎えました。これからまた皆で頑張っていきたいと思います。

 

早速、42日にヤマネコセンター周辺にてヤマネコの保護がありました。

「ツシマヤマネコを守る会」の山村会長より、頬に怪我をしたヤマネコがいると連絡をいただき

環境省職員らがたも網で捕獲しました。保護区内に定住していたおじいちゃんヤマネコです。

 

過去、亜成獣(1歳未満の若い個体)のころにも近くの集落内で保護されており、

今回は当時入れたマイクロチップをもとに、同じ個体と判明しました。

今年10歳になります。野生下では異例の長寿です。

 

 

入院室へ収容。かなり痩せておりあまり元気がない状態でした。
入院室へ収容。かなり痩せておりあまり元気がない状態でした。
保護当日の頬の外傷部の様子。
保護当日の頬の外傷部の様子。

 

痩せているものの食欲は旺盛で、毎日残さず食べています。

徐々に覇気が戻ってきたようで、飼育員にもしっかり威嚇してくるようになりました。

 

頬の傷の経過は今のところ良好です。

このまま元気に早く野生復帰できるといいなと思います。

 

蔭浦

 

 

2021年

2月

11日

ヤマネコ帰還!

皆さま

ご無沙汰しております。職員の太田です。

 

今日はうれしいニュースがあります。

先月1月16日に錯誤捕獲があり、背中に怪我が見られた為に治療を続けていたヤマネコが昨日野生復帰致しました。

 

ヤマネコは非常に活発で入院管理が難しい個体が多いのですが、この個体は比較的大人しく治療を進めていくことが出来ました。傷口にバンテージを巻いていましたのでカラーを装着はしていましたが、協力的で助かりました。

野生復帰後の傷の回復具合と放獣後の行動を観測する為、発信機付き首が装着されています。今後は、モニタリングを続けながら問題なく生きていけることが確認されましたら首輪を外す予定です。

放獣地は鰐浦となり、もしかすると集落付近に現れる可能性がありますので、目撃情報等がありましたらヤマネコセンターまでご一報頂けたら幸いです。

 

ヤマネコセンター(対馬野生生物保護センター)

℡0920-84-5577

 

改めまして錯誤捕獲の通報を頂きありがとうございました。

まだまだヤマネコの錯誤捕獲や事故の多い時期ですので通報や情報、余裕を持った運転をして頂けると幸いです。

2021年

1月

19日

2021年 新しい年の幕開け!

謹賀新年。少し遅れた新年のご挨拶となりました。

今年もNPO法人どうぶつたちの病院のブログをご覧くださりありがとうございます。

 

本年もツシマヤマネコや対馬の自然に親しんでいただける記事を

アップしていきたいと思います!!

まずは、現在TWCC(対馬野生生物保護センターの略)にいるヤマネコたちの近況報告です。

 

まずは公開個体のかなた(No.71

食欲は相変わらず旺盛、いまや文字通り「鏡餅」のような体系になっています。少しずつダイエットメニューに切り替えているところです。

年明けすぐに行われた健康診断ではおおむね異常なしですが、

おしっこの出が良くない様子もあり再検査を予定中。

こちらは非公開個体のナミ(No.73

施設の改修工事の関係から、昨年末より広い野外ケージへ移動しました。今はすっかり環境に慣れ、キャリーケージに入るトレーニングやボディタッチも問題なくできるようになりました。食餌も残さず、先天性の心臓病の影響も未だ現れずに元気に過ごしています。

3頭目に紹介するのは、これまであまりブログに紹介していませんでした

「ナナミ」というメスの野生個体。

実はナナミのTWCCでの飼育歴は長く、2015年冬に上対馬町豊で衰弱しているところ

保護されました。当時からすでに老齢でした。

1カ月間の野生復帰トライアルを経て「野生下での生存は困難」と判断されましたが、

以降は下島にある野生順化ステーションで飼育され、知見収集に大きく貢献してくれました。

そして20206月より、TWCCに戻ってきて予後を過ごしています。

ナナミの現在の飼育スペース。マットを敷いて肉球の擦れを防いでいます。。
ナナミの現在の飼育スペース。マットを敷いて肉球の擦れを防いでいます。。

ナナミは“おばあちゃんヤマネコ”です。

今は両目の視力もほとんどなく、歯もすり減った臼歯が残っているだけです。

野生下ではとうに死んでしまっているでしょう。

しかし、縁あって人間の飼育下で生きることとなり、多くの知見や経験値を

私たちに与えてくれています。そんな彼女への恩返しとまでは言えないですが、

すこしでも快適に、痛みのない状態で最後の日までお世話をしていきます。

 

今年はそんなナナミの様子も積極的にブログにアップしていきたいと思います!

コロナに負けず、良い一年にしていきましょう。

どうぞ宜しくお願い致します(^^)

 

蔭浦

2020年

2019年

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